二次関数 数学Ⅰ

二次関数の平方完成をマスターするための3つのSTEPを伝授します

平方完成アイキャッチ画像

この記事を見ているあなた、平方完成はできますか?

大丈夫です。私も平方完成でつまずいた経験があります。

二次関数は「平方完成」を避けては通れない単元ですよね。

塾講師をしていて思うのですが二次関数の平方完成でつまずく人って意外に多いように感じます。

計算スピードが遅く、公式を丸暗記していた私にとって「平方完成」は地獄のようでした。

ですが、平方完成の公式を丸暗記する必要がないことに気づいてから、二次関数の問題ではいつもほぼ満点を取ることができるようになったのです。

そこで、今回は平方完成のコツを伝授していきます。

例題や練習問題も何問か入れてあるのでここで平方完成をマスターしていきましょう。

練習問題を解くときは頭の中で計算するのでなく、実際に自分で紙に書いて解いてみてくださいね。

何のために平方完成をするのか?

あなたは平方完成をする意味を知っていますか?

平方完成は、\(y=ax^2+bx+c\) ➤ \(y=(x+p)^2+q\) の形に変形する計算です。

ではなんのためにこの計算を行うのでしょうか?

結論から言うと、グラフを簡単に描くためです。

あなたは、\(y=3x^2+12x+8\) という関数のグラフをすぐに描くことができますか?

このままでグラフを描くことはもちろん可能ですが、おそらく時間がかかってしまいます。

ですが、ここで平方完成という計算をすると、すぐにグラフを描けるようになります。

この関数を平方完成すると、\(y=3(x+2)^2-4\) となります。

例1

平方完成した式の \(x+2\) 、 \(-4\) と グラフの軸と赤線の交点の部分に注目してください。

平方完成の式にもグラフの一番下の部分でも同じ数字がありますよね。

これがグラフを素早く描くヒントです。

二次関数の問題では関数をグラフとして可視化させることができるかどうかで取れる点数が決まってきます。

平方完成をすることで、グラフの頂点の座標や軸がどこにあるのか、などがわかるようになります。

頂点の座標ともう1点(例えば\(x=0\)のときの\(y\)の座標)がわかれば簡単にグラフを描くことができます。

グラフが描けたら関数の最大値や最小値などもわかるので問題を解く上で非常に便利になりますよね。

なので、平方完成をする=グラフを簡単に描けるようになるということを頭に入れておきましょう。

平方完成の公式

ではどうやって平方完成をするのか?

先に公式だけ示しましょう。

平方完成の公式

\begin{eqnarray}
y &=& ax^2+bx+c \\
&=& a(x+\frac{b}{2a})^2+c-\frac{b^2}{4a}
\end{eqnarray}

ここで大事な注意点を言います。

この公式は絶対に暗記しないでください。

この公式を覚えると符号ミスが非常に起こりやすくなるからです。

なので、この公式は覚えないほうがいいです。

どうしても覚えるなら丸暗記して絶対に忘れないようにしてください。

今から3つのSTEPで平方完成のやり方を教えます。

\(y=ax^2+bx+c\) という一般的な関数で考えていきましょう。

STEP1

\(a(x+〇)^2\)の部分を説明します。

\(y=ax^2+bx+c\) の \(x^2\) 項の係数 \(a\) に注目してください。

平方完成後の式を展開したときに \(ax^2+...\) としたいので、 \(x^2\) の項の係数 \(a\) は()の外に出します。

STEP2

次に()の中身を考えます。

\(x^2\) の項を作るには、 \(x\) を()の中にを入れないといけないですよね。

ここで、試しに \(a(x+z)^2\) を展開すると、 \(ax^2+2azx+az^2\) となりますね。

この展開式の\(2azx\) の係数 \(2az\) を使います。

\(b=2az\) と置いて変形すると、 \(z=\frac{b}{2a}\) となりますね。

この \(z\) を \(a(x+z)^2\) に入れて展開すると、

\(a(x+\frac{b}{2a})^2=ax^2+bx+\frac{b^2}{4a}\) となり、

もとの関数 \(y=ax^2+bx+c\) の中の \(ax^2\)と\(bx\) を得ることができます。

STEP3

最後に項の整理をします。

STEP2を見ると \(\frac{b^2}{4a}\) という余分な項が出てきていることがわかりますよね。

これを打ち消すために()の外で \(-\frac{b^2}{4a}\) を付けましょう。

そして最後に残りの項である \(c\) を()の外で付け加えます。

これで \(a(x+\frac{b}{2a})^2+c-\frac{b^2}{4a}\) となり展開すると、 \(ax^2+bx+c\) に戻るので、これで平方完成の完成です。

これが実際の平方完成の仕組みです。3つのSTEPをまとめると、

平方完成のコツ

1:まず \(a(x+〇)^2\) にする。 → \(a(x+b)^2\)

2:\(x\) 項の係数を \(2a\) で割る。 → \(a(x+\frac{b}{2a})^2\)

3:\(c\) を()の外で付け足す。 → \(a(x+\frac{b}{2a})^2+c\)

4:余分な  \(a(\frac{b}{2a})^2\) を()の外で引く。 → \(a(x+\frac{b}{2a})^2+c-\frac{b^2}{4a}\)

どうでしょう?長い公式を覚えるより3つのSTEPで理論的に覚えたほうが楽ですよね。

しかも計算自体は中学で習う計算です。

文字だけじゃわかりにくいよ。という人のために実際の問題をもとに一緒に平方完成をしていきましょう。

平方完成の例題

1:\(y=x^2+4x+1\)

\begin{eqnarray}
y &=& x^2+4x+1 \\
&=& (x+2)^2+1-4 \\
&=& (x+2)^2-3
\end{eqnarray}

解説

STEP1:\(x^2\) の項の係数が1なので1×()になる。➤ \((x+〇)^2\)

STEP2:\(x\) の項の係数は 4 なので、これを 2 と \(x^2\)の係数の 1 で割って()内のの隣に付け足す。➤ \((x+2)^2\)

STEP3:最後の項の 1 を()の外に付け足し、STEP2で付け足した項は余分に2乗されるので、\(2^2\)を()の外で引く。➤ \((x+2)^2+1-4\)

 

2:\(y=2x^2+5x+7\)

\begin{eqnarray}
y &=& 2x^2+5x+7 \\
&=& 2(x+\frac{5}{4})^2+7-\frac{25}{8} \\
&=& 2(x+\frac{5}{4})^2-\frac{31}{8}
\end{eqnarray}

解説

STEP1:\(x^2\) の項の係数は 2 なので \(2(x+〇)^2\)の形にする。 ➤ \(2(x+〇)^2\)

STEP2:\(x\) の項の係数は 5 であるので、5 を 2 で割り、 \(x^2\) の項の係数 2 でも割って()の中に付け足す。 ➤ \(2(x+\frac{5}{4})^2\)

STEP3:最後の項である、7 を()の外で付け足し、STEP2で付け足した項は余分に2乗され、項の係数倍されるので、()の外で\(2\times(\frac{5}{4})^2\)を引く。 ➤\(2(x+\frac{5}{4})^2+7-\frac{25}{8}\)

 

3:\(y=-5x^2-8x+2\)

\begin{eqnarray}
y &=& -5x^2-8x+2\\
&=& -5(x+\frac{4}{5})^+2-\frac{16}{5}\\
&=& -5(x+\frac{4}{5})^2+\frac{26}{5}
\end{eqnarray}

解説

STEP1:\(x^2\)の項の係数は -5 なので \(-5(x+〇)^2\)の形にする。 ➤ \(-5(x+〇)^2\)

STEP2:\(x\)の項の係数は -8 なので -8 を2 で割り、\(x^2\)の項の係数 -5 でも割って()の中に付け足す。 ➤ \(-5(x+\frac{4}{5})^2\)

STEP3:最後の項である、2 を()の外で付け足し、STEP2で付け足した項は余分に 2 乗され、項の係数倍されるので、()の外で \(-5\times(\frac{4}{5})^2\)を引く。 ➤ \(-5(x+\frac{4}{5})^2+2-(-\frac{16}{5})\)

 

どうでしょうか?この例題3問で平方完成のすべてを詰め込みました。

結局やっていることは、

\(x^2\)の項の係数を()の前に書く。

\(x\)の項の係数を 2 で割り、 \(x^2\) 項の係数でも割る。

最後の項を付け足して、\(()^2\)を展開したときに出てくる余分な項を引く。

という3つのことしかやっていません。

平方完成をすると、 \(y=a(x+p)^2+q\) という形になるということさえ覚えていれば公式を覚える必要はありません。

最後に練習問題を用意しているので、そちらの方も解いて平方完成をマスターさせましょう。

二次関数の頂点の座標

次に、二次関数の頂点の座標について説明します。

二次関数の問題で頂点の座標を求めることはとても重要なことです。

なぜ重要なのかというと、主に以下の3つの理由があるからです。

グラフをある程度正確に描けることになる。

グラフの最大値もしくは最小値がわかる。

軸が第何象限にあるかなどがわかる。

要するに問題を解くにはグラフは必須ということです。

ではどうやって頂点の座標を求めるのでしょうか?

結論から言うと平方完成するだけで求めることができます。

平方完成後の関数が \(y=a(x+p)^2+q\) であるときの頂点の座標は、( \(-p\),\(q\) )となります。

これは覚えましょう。

\(x\)座標に関しては、\((x+p)=0\)が成立する値なので\(-p\)となっています。

グラフで確認してみましょう。

一般化グラフ

頂点の座標

\(y=a(x+p)^2+q\) の頂点の座標は( \(-p\),\(q\) )

また、下に凸のとき( \(-p\),\(q\) )はグラフで1番下の点となり、これを頂点と呼んでいます。

上に凸のときには( \(-p\),\(q\) )はグラフで1番上の点となり、これも頂点となります。

ちなみに、\(a>0\)のときは下に凸のグラフ、\(a<0\)のときは上に凸のグラフとなるので覚えておいてください。

下に凸のグラフ

 

これが下に凸 (\(a>0\))のグラフです。

下向きに山がありますよね。

 

 

 

 

上に凸のグラフ

 

これが上に凸(\(a<0\))のグラフです。

上向きに山がありますよね。

 

 

 

 

では、実際に具体的な関数を用いてみます。

先程の平方完成の例題でも用いた、 \(y=x^2+4x+1\) の頂点の座標を求めましょう。

これを平方完成すると、

\begin{eqnarray}
y &=& x^2+4x+1 \\
&=& (x+2)^2+1-4 \\
&=& (x+2)^2-3
\end{eqnarray}

となります。

よって頂点の座標は (-2 ,-3) です。グラフを描いてみると下図のようになります。

頂点例グラフ

 

このグラフを見ると、\(x^2\)の項の係数が 1 (1>0)なので、下に凸のグラフになっていますよね。

また、頂点の座標 (-2 ,-3) で最小値をとることもわかります。

 

 

頂点の座標を求めることはグラフを描く上でも大切ですし、二次関数の問題を解く上でも極めて重要です。

つまり、平方完成をマスターすることが二次関数で満点を取るための登竜門となっています。

実際に練習問題を用意しているので、問題を解いて平方完成をマスターさせましょう。

平方完成の練習問題

平方完成をマスターするための練習問題を用意しています。

頭だけで考えるのではなく、実際に手を動かして解いてみましょう。

では、頑張ってください。

練習問題

①~③を平方完成せよ。④、⑤は頂点の座標を求めよ。

①:\(y=4x^2+5x+6\)

②:\(y=-x^2+3x+8\)

③:\(y=-3x^2-7x-9\)

④ :\(y=5x^2+x+2\) の頂点の座標

⑤:\(y=-2x^2+x+9\) の頂点の座標

 

 

~答え&解説~

①:\(y=4x^2+5x+6\)

\begin{eqnarray}
y &=& 4x^2+5x+6 \\
&=& 4(x+\frac{5}{8})^2+6-\frac{25}{16} \\
&=& 4(x+\frac{5}{8})^2+\frac{71}{16}
\end{eqnarray}

解説

STEP1:\(x^2\)の項の係数は 4 なので \(4(x+〇)^2\)の形にする。 ➤ \(4(x+〇)^2\)

STEP2:\(x\)の項の係数は 5 なので 5 を2 で割り、\(x^2\)の項の係数 4 でも割って()の中に付け足す。 ➤ \(4(x+\frac{5}{8})^2\)

STEP3:最後の項である、6 を()の外で付け足し、STEP2で付け足した項は余分に 2 乗され、項の係数倍されるので、()の外で \(4\times(\frac{5}{8})^2\)を引く。 ➤ \(4(x+\frac{5}{8})^2+6-\frac{25}{16}\)

②:\(y=-x^2+3x+8\)

\begin{eqnarray}
y &=& -x^2+3x+8 \\
&=& -(x-\frac{3}{2})^2+8+\frac{9}{4} \\
&=& -(x-\frac{3}{2})^2+\frac{41}{4}
\end{eqnarray}

解説

STEP1:\(x^2\)の項の係数は -1 なので \(-(x+〇)^2\)の形にする。 ➤ \(-(x+〇)^2\)

STEP2:\(x\)の項の係数は 3 なので 3 を2 で割り、\(x^2\)の項の係数 -1 でも割って()の中に付け足す。 ➤ \(-(x-\frac{3}{2})^2\)

STEP3:最後の項である、8 を()の外で付け足し、STEP2で付け足した項は余分に 2 乗され、項の係数倍されるので、()の外で \(-1\times(\frac{3}{2})^2\)を引く。 ➤ \(-(x-\frac{3}{2})^2+8-(-\frac{9}{4})\)

③:\(y=-3x^2-7x-9\)

\begin{eqnarray}
y &=& -3x^2-7x-9 \\
&=& -3(x+\frac{7}{6})^2-9+\frac{49}{12} \\
&=& -3(x+\frac{7}{6})^2-\frac{59}{12}
\end{eqnarray}

解説

STEP1:\(x^2\)の項の係数は -3 なので \(-3(x+〇)^2\)の形にする。 ➤ \(-3(x+〇)^2\)

STEP2:\(x\)の項の係数は -7 なので -7 を2 で割り、\(x^2\)の項の係数 -3 でも割って()の中に付け足す。 ➤ \(-3(x+\frac{7}{6})^2\)

STEP3:最後の項である、-9 を()の外で付け足し、STEP2で付け足した項は余分に 2 乗され、項の係数倍されるので、()の外で \(-3\times(\frac{7}{6})^2\)を引く。 ➤ \(-3(x+\frac{7}{6})^2-9-(-\frac{49}{12})\)

④ :\(y=5x^2+x+2\) の頂点の座標

\begin{eqnarray}
y &=& 5x^2+x^2+2 \\
&=& 5(x+\frac{1}{10})^2+2-\frac{1}{20} \\
&=& 5(x+\frac{1}{10})^2+\frac{39}{20} \\
\end{eqnarray}

よって、頂点の座標は( \(-\frac{1}{10},\frac{39}{20} \))

解説

STEP1:\(x^2\)の項の係数は 5 なので \(5(x+〇)^2\)の形にする。 ➤ \(5(x+〇)^2\)

STEP2:\(x\)の項の係数は 1 なので 1 を2 で割り、\(x^2\)の項の係数 5 でも割って()の中に付け足す。 ➤ \(5(x+\frac{1}{10})^2\)

STEP3:最後の項である、2 を()の外で付け足し、STEP2で付け足した項は余分に 2 乗され、項の係数倍されるので、()の外で \(5\times(\frac{1}{10})^2\)を引く。 ➤ \(5(x+\frac{1}{10})^2+2-\frac{1}{20}\)

⑤:\(y=-2x^2+x+9\) の頂点の座標

\begin{eqnarray}
y &=& -2x^2+x+9 \\
&=& -2(x-\frac{1}{4})^2+9+\frac{1}{8} \\
&=& -2(x-\frac{1}{4})^2+\frac{23}{8}
\end{eqnarray}

よって、頂点の座標は(\( \frac{1}{4}, \frac{23}{8} \))

解説

STEP1:\(x^2\)の項の係数は -2 なので \(-2(x+〇)^2\)の形にする。 ➤ \(-2(x+〇)^2\)

STEP2:\(x\)の項の係数は 1 なので 1 を2 で割り、\(x^2\)の項の係数 -2 でも割って()の中に付け足す。 ➤ \(-2(x-\frac{1}{4})^2\)

STEP3:最後の項である、9 を()の外で付け足し、STEP2で付け足した項は余分に 2 乗され、項の係数倍されるので、()の外で \(-2\times(\frac{1}{4})^2\)を引く。 ➤ \(-2(x+\frac{2}{4})^2+9-(-\frac{1}{8})\)

どうでしたか?全問正解できましたか?

5問の練習問題をすべて正解することができたら平方完成はマスターしたと断言できるでしょう。

平方完成のまとめ

今回は二次関数の平方完成について説明しました。

例題と練習問題を解けば平方完成で困ることはないと断言できます。

平方完成をすることでグラフを簡単に描けたり、頂点の座標や軸がどこにあるのかわかったりするので二次関数の問題で平方完成をすることはとても重要です。

また、三角関数や微分・積分の範囲でも平方完成を使う場合があるのでここでマスターしておきましょう。

この記事のポイント

・平方完成の公式は丸暗記しない

平方完成のコツ

・\(x^2\)の項の係数を()の前に書く

・\(x\)の項の係数を 2 で割り、 \(x^2\) 項の係数でも割る

・最後の項を付け足して、\(()^2\)を展開したときに出てくる余分な項を引く

・\(a>0\) は下に凸、 \(a<0\) のときは上に凸

・\(y=a(x+p)^2+q\) の頂点の座標は ( \(-p\), \(q\) )

平方完成をマスターできたら、下の記事から二次関数の超頻出問題である「最大値・最小値を求める問題」をマスターさせましょう。

二次関数の最大値・最小値の頻出問題をマスターする方法を伝授します

最大値・最小値の問題をマスターできれば二次関数で高得点ゲットは間違いなしです。

【無料】オリジナルテキストをプレゼントします

僕は受験生の時、D判定から逆転合格し、最終的に数学の偏差値を65まで伸ばしました。

 

しかし、これはもともと数学が得意だったわけではなく、ある勉強方法を意識しながら、ただ単に勉強したからです。

 

僕が行った勉強方法をオリジナルテキストにまとめました。

この勉強方法は、誰でも簡単に実践できますし、塾の生徒にも同じやり方で指導しています。

また、この勉強方法をマスターすれば応用問題を解く力が自然と身に付きます。

無料で配布中です!

➤➤ 詳しくはこちらをクリック

-二次関数, 数学Ⅰ
-,

Copyright© 大学受験数学パス , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.