三角関数 数学Ⅱ

三角関数の加法定理を伝授します

高校数学「三角関数」で一番重要な公式の

「加法定理」

この公式の汎用性は半端ないです。

三角関数で出てくるいろんな公式を導出できます。

つまり

この公式を覚えていれば他の公式を覚えなくてもいいんです。

といっても時短のために覚えてほしい公式もありますが。

というわけで加法定理の公式と

加法定理を使って他の公式の導出方法を説明します。

最後まで読んだら一度自分で導出してみてくださいね。

この記事でわかること

  • 加法定理の公式
  • 加法定理の導出
  • 加法定理の使われ方

加法定理の公式

加法定理の公式

\(\sin (\alpha+\beta)=\sin \alpha\cos \beta+\cos \alpha\sin \beta\)

\(\sin (\alpha-\beta)=\sin \alpha\cos \beta-\cos \alpha\sin \beta\)

\(\cos (\alpha+\beta)=\cos \alpha\cos \beta-\sin \alpha\sin \beta\)

\(\cos (\alpha-\beta)=\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta\)

\(\tan (\alpha+\beta)=\Large\frac{\tan \alpha+\tan \beta}{1-\tan \alpha\tan \beta}\)

\(\tan (\alpha-\beta)=\Large\frac{\tan \alpha-\tan \beta}{1+\tan \alpha\tan \beta}\)

これが加法定理です。

これらの公式は絶対に覚えてください。

時間短縮のためです。

加法定理は三角関数の分野だけでなく

数Ⅲの「微分・積分」でも使うことがあるので

数Ⅲが必要な人は今のうちに覚えておきましょう。

ちなみに加法定理を覚えると

半角の公式や2倍角、3倍角の公式や和積・積和の公式を導出できます。

➤➤三角関数の半角・2倍角・3倍角・和積・積和の公式を伝授します

詳しいことは上の記事に書いてあるので

この記事をマスターした人は読んでみてください。

では加法定理の導出について説明していきます。

加法定理の導出

加法定理の導出について説明します。

加法定理をスムーズに導出していくためのポイントは

\(\cos (\alpha-\beta)\) から考えていくことです。

理由はその方がやりやすいからです。

では導出していきます。

下図のように単位円を描きます。

上の図のように点A、点Bを取ります。この図をもとに

\(\cos (\alpha-\beta)=\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta\) 

を導出していきます。

\(\\\)

加法定理の導出

\(\cos (\alpha-\beta)=\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta\) の導出

まずは必要となる式を出しておきましょう。上図より

\(\\\)

\(\rm {AB}^2=(\cos \beta-\cos \alpha)^2+(\sin \beta-\sin \alpha)^2\) ・・・①

\(\rm {OA}^2=\cos^2\alpha+\sin^2 \alpha=1\) ・・・②

\(\rm {OB}^2=\cos^2\beta+\sin^2\beta=1\) ・・・③

\(\rm {OA}\cdot\rm {OB}=1\cdot 1=1\) ・・・④

\(\\\)

ここで三角形OABにおいて余弦定理を使います。

\(\\\)

\(\rm {AB}^2=\rm {OA}^2+\rm {OB}^2-2\cdot OA\cdot OB\cdot\cos (\alpha-\beta)\)

\(\\\)

この余弦定理の式に先程求めた式①、式②、式③、式④を代入すると

\(\\\)

\(\rm {AB}^2=\rm {OA}^2+\rm {OB}^2-2\cdot OA\cdot OB\cdot\cos (\alpha-\beta)\)

⇔ \((\cos \beta-\cos \alpha)^2+(\sin \beta-\sin \alpha)^2\\
=1+1-2\cdot 1\cdot 1\cdot \cos (\alpha-\beta)\)

⇔ \((\cos^2\beta+2\cos \beta\cos \alpha+\cos^2 \alpha)+(\sin^2\beta+2\sin \beta\sin \alpha+\sin^2\beta)\\
=2-2\cdot\cos (\alpha-\beta)\)

⇔ \(2-2\cos \alpha\cos \beta-2\sin \alpha\sin \beta=2-2\cos (\alpha-\beta)\)

⇔ \(-2(\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta)=-2(\cos (\alpha-\beta))\)

\(\cos (\alpha-\beta)=\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta\) 

\(\\\)

以上より

\(\cos (\alpha-\beta)=\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta\) 

を導出できました。

これを使っての加法定理の残りの公式も導出していきます。

\(\\\)

加法定理の導出

\(\cos (\alpha+\beta)=\cos \alpha\cos \beta-\sin \alpha\sin \beta\) の導出

この導出では負角の公式を使います。

負角の公式とは??➤➤三角関数の基礎を伝授します【2】

\(\\\)

\begin{eqnarray}
\cos (\alpha+\beta) &=& \cos (\alpha-(\beta)) \\
&=& \cos \alpha\cos (-\beta)+\sin \alpha\sin (-\beta) \\
&=& \cos (\alpha+\beta)=\cos \alpha\cos \beta-\sin \alpha\sin \beta
\end{eqnarray}

\(\\\)

となります。以上より

\(\cos (\alpha+\beta)=\cos \alpha\cos \beta-\sin \alpha\sin \beta\)

を導出できました。

\(\\\)

加法定理の導出

\(\sin (\alpha+\beta)=\sin \alpha\cos \beta+\cos \alpha\sin \beta\) の導出

この導出では余角の公式を使います。

余角の公式とは??➤➤三角関数の基礎を伝授します【2】

\(\\\)

\begin{eqnarray}
\sin (\alpha+\beta) &=& \cos (\frac{\pi}{2}-(\alpha+\beta)) \\
&=& \cos ((\frac{\pi}{2}-\alpha)-\beta) \\
&=& \cos (\frac{\pi}{2}-\alpha)\cos \beta+\sin (\frac{\pi}{2}-\alpha)\sin \beta \\
&=& \sin \alpha\cos \beta+\cos \alpha\sin \beta
\end{eqnarray}

\(\\\)

となります。以上より

\(\sin (\alpha+\beta)=\sin \alpha\cos \beta+\cos \alpha\sin \beta\)

を導出できました。

\(\\\)

加法定理の導出

\(\sin (\alpha-\beta)=\sin \alpha\cos \beta-\cos \alpha\sin \beta\) の導出

この導出でも負角の公式を使います。

\(\\\)

\begin{eqnarray}
sin (\alpha-\beta) &=& \sin (\alpha+(-\beta)) \\
&=& \sin \alpha\cos (-\beta)+\cos \alpha\sin (-\beta) \\
&=& \sin \alpha\cos \beta-\cos \alpha\sin \beta
\end{eqnarray}

\(\\\)

となります。以上より

\(\sin (\alpha-\beta)=\sin \alpha\cos \beta-\cos \alpha\sin \beta\)

を導出できました。

\(\\\)

加法定理の導出

\(\tan (\alpha+\beta)=\Large\frac{\tan \alpha+\tan \beta}{1-\tan \alpha\tan \beta}\) の導出

この公式の導出では \(\sin(\alpha+\beta)\)、 \(\cos (\alpha+\beta)\) を使います。

\(\\\)

\begin{eqnarray}
\tan (\alpha+\beta) &=& \frac{\sin (\alpha+\beta)}{\cos (\alpha+\beta)} \\
&=& \frac{\sin \alpha\cos \beta+\cos \alpha\sin \beta}{\cos \alpha\cos \beta-\sin \alpha\sin \beta} \\
&=& \frac{\large\frac{\sin \alpha\cos \beta}{\cos \alpha\cos \beta}+\frac{\cos \alpha\sin \beta}{\cos \alpha\cos \beta}}{\large\frac{\cos \alpha\cos \beta}{\cos \alpha\cos \beta}-\frac{\sin \alpha\sin \beta}{\cos \alpha\cos \beta}} \\
&=& \frac{\tan \alpha+\tan \beta}{1-\tan \alpha\tan \beta}
\end{eqnarray}

\(\\\)

となります。以上より

\(\tan (\alpha+\beta)=\Large\frac{\tan \alpha+\tan \beta}{1-\tan \alpha\tan \beta}\)

を導出できました。

ちなみに上の式の2行目から3行目への変形は

2行目の式の分母と分子を \(\cos \alpha\cos \beta\) で割っています。

\(\\\)

加法定理の導出

\(\tan (\alpha-\beta)=\Large\frac{\tan \alpha-\tan \beta}{1+\tan \alpha\tan \beta}\) の導出

\(\\\)

\begin{eqnarray}
\tan (\alpha-\beta) &=& \frac{\sin (\alpha-\beta)}{\cos (\alpha-\beta)} \\
&=& \frac{\sin \alpha\cos \beta-\cos \alpha\sin \beta}{\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta} \\
&=& \frac{\large\frac{\sin \alpha\cos \beta}{\cos \alpha\cos \beta}-\frac{\cos \alpha\sin \beta}{\cos \alpha\cos \beta}}{\large\frac{\cos \alpha\cos \beta}{\cos \alpha\cos \beta}+\frac{\sin \alpha\sin \beta}{\cos \alpha\cos \beta}} \\
&=& \frac{\tan \alpha-\tan \beta}{1+\tan \alpha\tan \beta}
\end{eqnarray}

\(\\\)

となります。以上より

\(\tan (\alpha-\beta)=\Large\frac{\tan \alpha-\tan \beta}{1+\tan \alpha\tan \beta}\)

を導出できました。

ちなみに上の式の2行目から3行目への変形は先程と同じように

2行目の式の分母と分子を \(\cos \alpha\cos \beta\) で割っています。

加法定理の使用

加法定理を使った問題として例えば \(\sin 75°\) の値などを求めれるようになります。

実際に解いてみましょう。

加法定理の例題

\(\sin 75°\) の値を求めよ。

75°は三角比の部分で覚えた表の中には入っていませんが

加法定理を使えば求められます。

では解説していきます。

解説

加法定理を使って

75°を分解していきます。

\(\\\)

\begin{eqnarray}
\sin 75° &=& \sin (45°+30°) \\
&=& \sin 45°\cos 30°+\cos 45°\sin 30° \\
&=& \frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{1}{2} \\
&=& \frac{\sqrt{3}}{2\sqrt{2}}+\frac{1}{2\sqrt{2}} \\
&=& \frac{\sqrt{6}}{4}+\frac{\sqrt{2}}{4} \\
&=& \frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}
\end{eqnarray}

\(\\\)

と求めることができます。

このように加法定理を使いこなせれば

30°、45°、60°、90°、・・・以外の

\(\sin \ ,\ \cos \ ,\ \tan \) の値を求められます。

まとめ

どうでしたか?

加法定理の導出自体は簡単です。

一応、おさらいとして加法定理の公式を下に書いておきます。

おさらい

\(\sin (\alpha+\beta)=\sin \alpha\cos \beta+\cos \alpha\sin \beta\)

\(\sin (\alpha-\beta)=\sin \alpha\cos \beta-\cos \alpha\sin \beta\)

\(\cos (\alpha+\beta)=\cos \alpha\cos \beta-\sin \alpha\sin \beta\)

\(\cos (\alpha-\beta)=\cos \alpha\cos \beta+\sin \alpha\sin \beta\)

\(\tan (\alpha+\beta)=\Large\frac{\tan \alpha+\tan \beta}{1-\tan \alpha\tan \beta}\)

\(\tan (\alpha-\beta)=\Large\frac{\tan \alpha-\tan \beta}{1+\tan \alpha\tan \beta}\)

加法定理は三角関数で必ず覚えなければならない公式です。

今回は万が一忘れたときのための導出方法を説明しました。

加法定理は三角関数で出てくる他の公式の導出にも使えます。

つまり、加法定理さえ覚えておけば

三角関数の公式を覚えることで困ることはありません。

あなたもしっかりと加法定理を暗記しましょう。

この記事の内容が難しかった人は三角関数の基礎の基礎が理解できていません。

そういう人は

➤➤ 三角関数の基礎を伝授します【1】

➤➤ 三角関数の基礎を伝授します【2】

を読んで三角関数の基礎をマスターしましょう。

三角関数の公式を覚えたくない人は

➤➤三角関数の半角・2倍角・3倍角・和積・積和の公式を伝授します

を読んで公式をマスターさせてください。

【無料】オリジナルテキストをプレゼントします

僕は受験生の時、D判定から逆転合格し、最終的に数学の偏差値を65まで伸ばしました。

 

しかし、これはもともと数学が得意だったわけではなく、ある勉強方法を意識しながら、ただ単に勉強したからです。

 

僕が行った勉強方法をオリジナルテキストにまとめました。

この勉強方法は、誰でも簡単に実践できますし、塾の生徒にも同じやり方で指導しています。

また、この勉強方法をマスターすれば応用問題を解く力が自然と身に付きます。

無料で配布中です!

➤➤ 詳しくはこちらをクリック

-三角関数, 数学Ⅱ
-, , ,

Copyright© 大学受験数学パス , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.